2005年07月25日

ゴルゴ13、実在す。


ジェームズ・ナクトウェイ


──────────▲ナクトウェイ(左)──────────

この世の地獄“戦場”を撮り続けるカメラマン、ジェームズ・ナクトウェイ。1948年にアメリカに生まれ、80年代から本格的に戦争取材をライフワークにし、インドネシア、コソボ、パレスチナなどにおもむいている。
ロバート・キャパ賞を5回、ワールド・プレス・フォト賞を2回受賞するなど、その足跡の輝きの中に、彼がいかに戦乱の深み・極みに身を投じてきたかがうかがい知れる。

彼を追い続けたドキュメンタリー映画がある。『戦場のフォトグラファー ジェームズ・ナクトウェイ』 砲弾が炸裂し、銃弾が飛び交い、負傷者がもがき、流血し、死体が転がる荒廃の街なかで、彼はつねに静かな表情でカメラを構え、シャッターを切り続ける。
彼をよく知るジャーナリストたちは口々に言う。

「クールだ。とてつもなくクールな男だ」「彼ほど寡黙な人間はいない。寡黙に自分の仕事を遂行していく」……

ほかのカメラマンが望遠レンズで撮るような危険な場所でも、彼はその核心に迫るために、ためらうことなく現場に近づき踏み込んでいく。20年も死なずにやってこれたことを奇跡と言うべきか…… それらすべてのことが、ドキュメンタリーから伝わってくる。
あるジャーナリストは言う。「戦場であまりにも悲惨なことがあると、俺たちは動揺し、その晩はバーでも行って酔わずにはいられない気持ちになるんだ。ところが、ジム(ナクトウェイ)は一杯の水を飲むだけ。それで完了なんだ」
僕は映画を見ながら、ふと思った。

「ナクトウェイって、ゴルゴ13のような男だな」

不思議な喜びだった。生身の人間で“ゴルゴ13”を感じさせる者など、いままで一度もお目にかかったことがないだけに、何と言ったらいいのか…… 空想上の生き物に、本当に出くわしてしまったような……
ジェームズ・ナクトウェイ。その仕事ぶり、その生き方、その考え方に、男として学びたいものがたくさんある。


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