2005年07月25日
これだけは、しちゃいけない!
僕がプロポーズしたのは、ずいぶん昔のことになる。
その時のことが、ちょっと大げさに言えば、悪夢のようになってしまっていて、いまでもとても後悔している。
その悪夢……、じつは“忘れられない悪夢”ではなくて“思い出せない悪夢”なんだ。
プロポーズというのは勇気がいる。いままでの恋愛関係を婚姻関係という形に変える不安や期待……。それらが重圧となって、プロポーズしようとする気持ちにのしかかってくる。おまけに日本男児の悪癖で、照れくささも手伝って、その日僕はなかなかプロポーズできないでいた。にもかかわらず、デートは形ばかりどんどん進行している。きょう言わなければ、次も言わない──いや、言えないだろうと僕は感じ、あせりだす。
で、結局、僕はどうしたかというと、酒の力を借りてしまったわけだ。不安や照れから逃れるために……。
彼女はめっぽう酒が強いので、いくらでも僕に付き合ってくれた。僕は相変わらず言えないでいた。
そして最後に、あるバーで飲んだのは覚えている。そこで僕は何か一生けんめい喋っていたのも覚えている。仕事の話や、いま見た映画のことなど、どうでもいいことを……。だが、肝心のプロポーズをしたかどうか……。
翌朝、僕は、自分の部屋の自分のベッドでひとり寝ていた。彼女は自宅に帰ったようだった。で、僕はおそるおそる彼女に電話した。彼女の声はとても明るかった。それに比べて、僕の情けない声。確かこんな会話だった。
僕「きのう、ちゃんと帰れた?」
彼女「なに言ってんの。あなたが送ってくれたんじゃない」
僕「あ、そうだったね」
彼女「覚えてないの? まさか私に言ったことも忘れてる?」
僕「えっ、なにを?」
彼女「スゴイこと言ったでしょ」
ひょっとして、泥酔状態でプロポーズしちまったとか?
だとしたら、これほど大切なことを覚えてないなんて言えない。
僕「ああ、あれね……」
彼女「じゃ、本気にしちゃっていいのね」
僕「も、もちろんだよ……」
そして、現在となる。彼女は、僕の奥さんになった。
あの時のこと──僕が本当にプロポーズしたのかどうか、いまだに確かめていない。
プロポーズしたのだろうか、しなかったのだろうか。
もしプロポーズしたのなら、いまさらながらではあるけれど、そのことをしっかりと覚えていたかった。人生の大切な記念碑なのだから。
もし、あの時プロポーズをしていなかったのなら……。
僕はいま思っている──あの時、きちんとした言葉で、きちんとした気持ちで彼女にプロポーズしてあげたかった。
きっと、あの時プロポーズがうまくできない僕に替わって、彼女が僕の役目をやることになってしまったのだ。もし、そうだとしたら、そのぶん、いまこそ彼女を幸せにしてあげたいと思う。だけど、そう思えば思うほど、あの時の自分の不甲斐なさを強く感じてしまう。つらい。とても、つらい。
だから、とくに男子には言いたい。
「シラフで、しっかりプロポーズしろよ!」
いつまでも、その日の、その気持ちを、その出来事を、鮮明に覚えておいたほうがいい。
最近は、離婚とか再婚とかよくする時代だけど、初めてのプロポーズというのは、たった1回しかないんだからな。オンリー・ワンだ。だから、しっかりプロポーズしろよ!
さしでがましいことかもしれないけれど、オヤジからの忠告だ。
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その時のことが、ちょっと大げさに言えば、悪夢のようになってしまっていて、いまでもとても後悔している。
その悪夢……、じつは“忘れられない悪夢”ではなくて“思い出せない悪夢”なんだ。
プロポーズというのは勇気がいる。いままでの恋愛関係を婚姻関係という形に変える不安や期待……。それらが重圧となって、プロポーズしようとする気持ちにのしかかってくる。おまけに日本男児の悪癖で、照れくささも手伝って、その日僕はなかなかプロポーズできないでいた。にもかかわらず、デートは形ばかりどんどん進行している。きょう言わなければ、次も言わない──いや、言えないだろうと僕は感じ、あせりだす。
で、結局、僕はどうしたかというと、酒の力を借りてしまったわけだ。不安や照れから逃れるために……。
彼女はめっぽう酒が強いので、いくらでも僕に付き合ってくれた。僕は相変わらず言えないでいた。
そして最後に、あるバーで飲んだのは覚えている。そこで僕は何か一生けんめい喋っていたのも覚えている。仕事の話や、いま見た映画のことなど、どうでもいいことを……。だが、肝心のプロポーズをしたかどうか……。
翌朝、僕は、自分の部屋の自分のベッドでひとり寝ていた。彼女は自宅に帰ったようだった。で、僕はおそるおそる彼女に電話した。彼女の声はとても明るかった。それに比べて、僕の情けない声。確かこんな会話だった。
僕「きのう、ちゃんと帰れた?」
彼女「なに言ってんの。あなたが送ってくれたんじゃない」
僕「あ、そうだったね」
彼女「覚えてないの? まさか私に言ったことも忘れてる?」
僕「えっ、なにを?」
彼女「スゴイこと言ったでしょ」
ひょっとして、泥酔状態でプロポーズしちまったとか?
だとしたら、これほど大切なことを覚えてないなんて言えない。
僕「ああ、あれね……」
彼女「じゃ、本気にしちゃっていいのね」
僕「も、もちろんだよ……」
そして、現在となる。彼女は、僕の奥さんになった。
あの時のこと──僕が本当にプロポーズしたのかどうか、いまだに確かめていない。
プロポーズしたのだろうか、しなかったのだろうか。
もしプロポーズしたのなら、いまさらながらではあるけれど、そのことをしっかりと覚えていたかった。人生の大切な記念碑なのだから。
もし、あの時プロポーズをしていなかったのなら……。
僕はいま思っている──あの時、きちんとした言葉で、きちんとした気持ちで彼女にプロポーズしてあげたかった。
きっと、あの時プロポーズがうまくできない僕に替わって、彼女が僕の役目をやることになってしまったのだ。もし、そうだとしたら、そのぶん、いまこそ彼女を幸せにしてあげたいと思う。だけど、そう思えば思うほど、あの時の自分の不甲斐なさを強く感じてしまう。つらい。とても、つらい。
だから、とくに男子には言いたい。
「シラフで、しっかりプロポーズしろよ!」
いつまでも、その日の、その気持ちを、その出来事を、鮮明に覚えておいたほうがいい。
最近は、離婚とか再婚とかよくする時代だけど、初めてのプロポーズというのは、たった1回しかないんだからな。オンリー・ワンだ。だから、しっかりプロポーズしろよ!
さしでがましいことかもしれないけれど、オヤジからの忠告だ。
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Posted by love40 at 15:41
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