2005年07月25日
「ありがとう」の呪縛
あいさつ言葉にはいろいろなものがあるけど、その中のいくつかが、つねに僕の頭を悩ませている。
たとえば「ありがとう」が、そのひとつ。正確には「ありがとう」はいいのだけど、「ありがとうございます」が困る。
何かの場面で「ありがとうございます」と言おうとして、いざ言葉を音にし、のどから口に繰り出す瞬間、“これで正解?”とためらってしまう。そして、その戸惑いが疑問調のイントネーションとなって尻上がりになり、「ありがとうございます?」になり、相手を戸惑わせたりする……
何が僕にとって問題なのかというと、“時制”が気になってしまうのだ。時制とは、簡単に言えば、言葉の現在・未来・過去の扱いだ。「ありがとうございます」に対しては「ありがとうございました」があり、おおざっぱに言って前者が現在形、後者が過去(完了)形となる。
したがって「ありがとうございます」は、今おこなわれている行為や事象に対する謝辞だし、「ありがとうございました」はすでに完了していることに言う。
ということは、たとえば誰かが僕の仕事を手伝ってくれて、その最中なら「ありがとうございます」と声をかけ、終了していたら「ありがとうございました」とねぎらう──となる。
ところが、時として、終了していることに対しても「ありがとうございます」と言うことがある。“言うことがある”なんてもんじゃなくて、言いまくりまくっている。相手の行為が終了しているにもかかわらず、「ありがとうございます」だ。なぜ?
で、僕は考えた。
そして「そうか!」と思い当たった。
「ありがとう」は、相手の行為(進行/終了)に視点を合わせているのではなく、感謝する側に視点を向けているのではないか? つまり、感謝する側が“いま感謝しているんですよ”という意味で「ありがとうございます」と言っているのではないだろうか、と。
ならば合点がいく。相手の手伝いが終了し、そのことに対し、僕は今まさに感謝していて「ありがとうございます」と述べるわけだ。なるほど、これならいい!
僕はちょっと悦に入って、溜飲を下げようと思った……その時、新たな問題が生じていることに気づいた。
じゃあ「ありがとうございました」は何なんだ、と。すでに“感謝の気持ち”が終了しているのか、と。「ありがたいと思ってました。でもネ、それも今は昔」ってことか、と。オレって薄情なヤツなのか、と……。
で……、問題は振り出しに戻ってしまうのだ。
「こんにちは」と「おやすみなさい」はとりあえず問題ない。しかし「おつかれさまです」は「おつかれさまでした」があるから、やはり同じような悩みをはらんでいる。(←悩むなよ、そんなことで<笑>)
この時制問題から解放されるために、「ありがとう!」「おつかれ!」「ありがとちゃ〜ん!」「おつかれちゃ〜ん!」だけで人生を乗り切れるだろうか……?(←だから、悩むなって、そんなことで<笑>)
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Posted by love40 at 16:34
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