2005年07月25日
僕の好きなCMをすぎちょびれば
自分にとって忘れられないCMって、どれだろう?
まがりなりにも広告業界に身を置いてきたので、そういうことをよく考えていそうだけれど、いま振り返ってみると意外にも心当たりがない。
よく話題にしたCMはいくつもあるのだけれど、それはあくまでも広告制作者として「仕事の参考になるかどうか」であって、ナマの気持ちでの「好き嫌い」とはちょっと違う。
広告を仕事にしたことによって、その方面の“性感帯”をイジリすぎてしまった、ということもあるのかもしれない。だから、何がヨクて何がエグイのか、感じ分けられなくなっているのかもしれない。
普通に触られても「ア、ア〜ン」てなりにくいしね。妙なところで「オ、オ、オ〜〜〜〜〜〜」ってなったりするわけだよ。(←それって変態ちゅーことやんか!)
ま、そうかもね。フッフッフ。(←笑うな!)
でもね、子供の時に見たCMは、あの頃感じたまんまの印象が今でも残っていて、これは手放しで「好き!」って言える。その代表が、これだ──
『みじかびの きゃぷりことれば すぎちょびれ すぎかきすらの はっぱふみふみ』
ハッハッハ、そこのお若いの、ご存じかな?
これは1969年のパイロット万年筆のCMで、あの大橋巨泉が、ほとんど素のバストショット(何も飾りのない上半身撮影)で、万年筆のキャップを取って字を書くアクションとともに、上記のセリフを言うというものだ。
『はっぱふみふみ』のあとに、巨泉が『わかるね?』ってニヤニヤしながら人を食ったような表情で言って終わる。わかるね?と言われて、わかるようでわからない、わからないようでわかるような気がする。
このCMはめちゃくちゃウケて、それまで業績不振を伝えられていたパイロット万年筆は、この1作で完全に立ち直った、という伝説まで残している。
好きだから、もう1回、リプレイしちゃいます。声を出して、ご一緒に!
『みじかびの きゃぷりことれば すぎちょびれ すぎかきすらの はっぱふみふみ………、わかるね?』
大橋巨泉という人はもともとジャズ評論家で、しかも俳句もたしなんだらしい(「巨泉」は俳号)。ジャズにはスキャット(「シャバダバダ〜♪」)というオノマトペ(擬態語・擬声語)的な唱法があり、『みじかびの…』の特殊な言語感覚は、“スキャット+五七調”によって発揮されたものと思われる。
そう言えば、70年代になると“タモリ時代”が到来するのだけれど、当時一世を風靡した彼の「ハナモゲラ語」に、この巨泉語が若干なりとも影響を与えていると思う。奇しくも、お二人とも早大中退のジャズ・マニアだ。
そうそう、最後に、言っておくことがあった。
このパイロット万年筆の広告は、なんと5秒CMなのだ!
今は15秒、30秒が主流だけれども、この『みじかびの…』はたったの5秒! すげえ!!!!!!
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Posted by love40 at 17:34
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