2005年07月25日
マイ・ベストフレンド
僕がコピーライターになりたての頃、“ネタ帳”のようなものを作っていて、思いついた言葉や、気のきいた言い回しなどをそれにせっせと書き込んでいた。
じつは、そういうネタ帳が実戦で役に立った試しはなく、結局半年ほどでやめてしまうことになるのだけれど、ともかく最初は一生けんめい記帳していた。
そのネタ帳が最近ひょっこり出てきたので、懐かしくなって1ページ1ページ丹念に読んでいたら、気になるフレーズに目が止まった。それは──
『ふたりは、たたり』
──というものなのだ。
一応「ふ“たり”は、た“たり”」と韻を踏み、語呂を合わせ、コピーメイクをしている。文意は不明。自分で書いておきながら、どうしてこういうフレーズを思いつき、書きとどめたのか、とっさに思い出せない。
で、僕は思いをめぐらせた……
たとえば、その頃つきあっている女性がいて、それが“魔性の女”で、僕は日ごと夜ごとその女と淫欲の限りを尽くし、しまいには心身ともに破綻してしまった……、で、「ふたりは、たたり」という赤裸々な苦悩を書き記したものではないか、と。
当時のことを思い返すまでもなく、そんなオイシイ過去はなく、それどころか当時はコピーライターになったばかりで、恋愛どころではなかった。女の影はなし。
で、僕は当時のことをつぶさに思い返してみた。
……思い当たった。そうだ、あの頃、同じ職場にもう一人同年齢のコピーライター(男)がいた。そいつとはやけにウマがあって、毎晩のように飲みに行っていた。とにかく仲がよく、話も合ったし、飲み方も似ていたし、飲む量も“ザル状態”で、毎晩毎晩毎晩毎晩、ゴールデン街やら新宿2丁目やらを飲み歩いていた。
おかげで、昼間は二人とも死人同然だった。二日酔いで仕事がつらいの何のって。双方ともに「きょうは飲みに行くのはやめような」と声を掛け合うのだが、夜になると二人は飲み屋にいる。そこでコピー談義。
こんなことをしていては死んでしまう、と思いながらも、やめられない……
ま、そんな頃に、僕は自分の悲痛な叫びを、ネタ帳に刻したわけだ。
『ふたりは、たたり』(笑)
あんなに仲良く日々を過ごした友だちは、それ以前もそれ以後も、いない。
人気blogランキングに参加中♪
Posted by love40 at 17:44
│Comments(0)
│TrackBack(0)
この記事へのトラックバックURL
http://app.blog.livedoor.jp/love40/tb.cgi/50034690




