2005年07月26日
ロボットのことで、嬉しいこと、残念なこと
ロボット関連のニュースを目にするたびに、僕はガキのようにワクワクして「まるで今が未来のようだ!」と口走ってしまう。先日の新聞にも、そんなワクワクするような記事が載っていた(毎日新聞4/4付)。
『ロボット開発のベンチャー企業、ゼットエムピー(ZMP/本社・東京)は12日、二足歩行する家庭用ロボットの「nuvo(ヌーボー)」を発売した。足や腕などに計15個の関節があり、転んでも命令すれば起きるほか、ダンスもする。目に組み込まれたカメラで、外出先から室内の様子を携帯電話でチェックでき、“留守番”役もこなす。同社によると人型ロボットを家庭用に販売するのは世界で初めてで、価格は58万8000〜88万8000円』
人型ロボットを家庭用として販売するのは、世界で初めてだ! やったね! また日本がぶっちぎりでロボット界に旋風を巻き起こしたわけだ。
ダンスをしたり、留守番をしたり、おまけに転んでも起き上がるし、カワイイなあ。身長39センチ、重さ2.5キロか。欲しいなあ。
お、こんなことも書いてある!
『専用ウエアや靴、かつらなども別売りし、自分好みのロボットに仕立てる楽しさも……(略)……同社は現在、人間との簡単な会話や、あらかじめ登録していたスケジュールの読み上げなども可能になるソフトを開発中で、2号機以降にはこれらの機能も搭載される予定』
着せ替えアリ! ヅラまで! こりゃ、ハマるな(笑)。
それにヴァージョンアップするたびに、どんどんオシャベリするようなるのか……。僕なんて「プリモプエル」程度のよちよち言葉でさえ、感情移入しちゃうもんな。「nuvo」が家に来たら、完全に「家族1名サマ追加!」って感じなんだろうな。買う金ないけどね(涙)。
しかし、日本という国は、あらためて凄い国だと感心する。産業用ロボットにしても世界シェアの6割ほどを押さえていると言うし、ヒューマノイド・ロボット(人間型ロボ)においては独壇場だ。
ヒューマノイド・ロボットに関しては、漫画『鉄腕アトム』が日本で生まれ、そのアトムを愛した少年たちが今のロボット技術者となって成果を上げた、という日本固有の事情があったことはあまりにも有名な話だ。「アトムのようなロボットを作ろう!」という一言で、多くの日本人技術者が心をひとつにできたことは、ある意味“奇跡”と言ってもいいのではないだろうか。
ロボット先進国・日本が、これまでどのようなヒューマノイド・ロボットを作ってきたか、時代を追ってピックアップしてみた。
ヒューマノイド第1号と呼ばれているのが、早稲田大学理工学部の研究グループが1973年に発表した「WABOT-1(ワボット1)」だ。
そして、その後の(僕が知っている)代表的なロボットを挙げると──
1997年:「HONDA P3」(完全自律の2足歩行ロボ)
1999年:「AIBO(アイボ)」(SONYが市販した犬型ロボ)
2000年:「ASIMO(アシモ)」(HONDAのP3を小型化した超有名ロボ)
「PINO(ピノ)」(北野共生システムプロジェクトにより研究開発)
「SDR-3X」(SONYによる2足歩行&踊るロボ)
2002年:「Posy(ポージー)」(フラワー・ロボティクス社による新コンセプト・ロボ)
2004年:「HRP-2(Humanoid Robotics Project)」(経済産業省推進による作業用ロボ)
2005年:「nuvo(ヌーボー)」
まさに錚々たる“顔ぶれ”。WABOT-1が登場してから約30年で、ついにnuvoだ。まだ超初期的なヒューマノイド・ロボットではあるけれど、それがいよいよ家庭に入ってくる──つまり、ロボが家族の一員になる!──日が来たのだ。今、この時を「未来」と言わないで、いつを「未来」と言うのだろう。ワクワク、ワクワク!
ところで、これら日本を代表するロボットたちの“名前”を眺めていると、僕はとても気になる(というよりは、残念に思う)ことがある。
ここでもう一度、各ロボットの“名前”とその由来を整理してみると──
【WABOT-1(ワボット1)】→“WA”SEDA(早稲田大学)とRO“BOT”の合成
【HONDA P3】→Prototype(原型)の頭文字“P”で3番目
【AIBO(アイボ)】→AI(人工知能)とRO“BO”Tの合成/Eye+RO“BO”Tの意味/日本語“相棒”……など複数の意味
【ASIMO(アシモ)】→Advanced(先進的)Step in(ステップ)Innovative(革新的)MObility(モビリティ)の頭文字 ※ロボット小説の父・SF作家アイザック・アシモフ(Asimov)から取ったという説は違うらしい。
【PINO(ピノ)】→ピノキオ(“PINO”CCHIO)からの造語
【SDR-3X】→SONY Dream Robotの頭文字
【Posy(ポージー)】→英語で“花・花束”の意味
【HRP-2】→Humanoid Robotics Projectの頭文字
【nuvo(ヌーボー)】→フランス語nouveau(新しい)の略
どうです? 名前を見ていて何か感じました?
僕が残念に思うこと──それは、これらのロボットの名前から“メイド・イン・ジャパン”という印象が、ほとんど感じ取れないということだ。
世界に誇れるロボットたちの、その名前のいずれもがほとんど「“日本”をアピールしていない」のだ。
この中で「HONDA P3」は(日本)社名が入っているので除外し、さらに「AIBO(アイボ)」のネーミングは日本語の「相棒」の意味を含んでいるから例外とすると、ほかの名前はすべて外国語の加工であることがわかる。(「WABOT」はビミョー)
おそらく、これらのロボットを開発した人たちは、自分たちの世紀の発明を世界にアピールするためには、世界に通用する“インターナショナル”な名前をつけなければいけないと判断したのだろう。そして、英語などの外国語を基にネーミングした。
前述したように、日本のロボット技術はダントツに優れている。ヒューマノイド・ロボットに関しては、まさに独壇場と言っていいはずだ。なのに、どうして、これほどまでに他国の言語/意味/音声にゆだねてネーミングし、へつらってしまったのだろう?
たとえば柔道を見てほしい。
東京オリンピックに新競技として導入されて以来、数十年にわたって国際化という洗礼を受ける中、柔道が日本のスポーツであるという“指紋”をきちんと残してきた。「ippon(一本)」「wazaari(技あり)」を始め、たくさんの日本語を通用させ、全世界の柔道関係者(のみならず、さらに多くの人々)に、日本=オリジンであることを印象づけてきた。これは、とても大切なことだと僕は思っている。
もし、ロボット第1号の名前が「TOMODACHI」だったら、世界の人々はこのロボットを話題にするたびに、TOMODACHIがどのような意味かを知りたがるだろうし、またそれが日本語で、人間とロボの関係を表すものだと納得するかもしれない。
「KOKORO」とネーミングされていれば、それが日本語の「心」のことであり、「心」には「まごころ」という意味が込められていて、このロボに、研究者たちがどれほど愛情をそそぎ、そして心の通い合うようなロボにしたいと願いながら世に送り出したかがわかってもらえたかもしれない。
「HANAKO」なら、それが女性の名前であり、フェミニンな繊細なロボットにしたかったことや、「花の子」のような愛らしさと香しさをパフォーマンスしてくれるよう願っていることを、“日本人として”世界に伝えられたかもしれない。
大切なことは、日本語という僕たち固有のエッセンスを活用することによって、ロボットを媒介に、日本の文化がもっとフォーカスされる可能性があるということだ。そうすることで、世界で日本人がさらに深く理解される機会や、さらに好意的に活躍できるきっかけを、得られたかもしれない……と僕は思っている。
いや、まだ遅くないはずだ。
今、日本が誇れるロボット文化・技術・産業を、これからはもっとじょうずにブランディング(ブランド戦略化)して、もっと世界にアピールしてほしいと思う。
人気blogランキングに参加しています
Posted by love40 at 07:26
│Comments(2)
│TrackBack(0)
この記事へのトラックバックURL
http://app.blog.livedoor.jp/love40/tb.cgi/50037227
この記事へのコメント
まずは金持ちに買ってもらって、その評価を次の商品にフィードバックしてさらに高性能化・低価格化を目指すみたいです。
今回は2000台の限定販売みたいですが、今回の物が大成功を収めれば次は5000〜1万台ぐらいを出荷して価格も20万円台になるでしょう。
さらに売れれば10万円台ぐらいにまで下がると私は考えています。
今まで家庭に入った事が無かったから、どのメーカーも二足ロボットの販売には二の足を踏んでいたそうです。
家庭用を市販したこと自体が意味のあるものなのでしょう。
今回は2000台の限定販売みたいですが、今回の物が大成功を収めれば次は5000〜1万台ぐらいを出荷して価格も20万円台になるでしょう。
さらに売れれば10万円台ぐらいにまで下がると私は考えています。
今まで家庭に入った事が無かったから、どのメーカーも二足ロボットの販売には二の足を踏んでいたそうです。
家庭用を市販したこと自体が意味のあるものなのでしょう。
Posted by tatuya
at 2005年09月26日 23:22
●●●tatuyaさんへ●●●
情報、ありがとうございます!
>まずは金持ちに買ってもらって、その評価を次の商品にフィードバックして
>さらに高性能化・低価格化を目指すみたいです。
なるほど。
基本的には、初期の自動車や、市場導入期の各種家電と同じマーケティング方法なのでしょうね。
>今回の物が大成功を収めれば次は5000〜1万台ぐらいを出荷して価格も20万円台に……
20万円!
これはもう、家電プライスですよ。
>さらに売れれば10万円台ぐらいにまで下がると私は考えています。
ほお!
「10万」となると、これはもう子供が“お年玉”でゲットする商品エリアですよね!
>どのメーカーも二足ロボットの販売には二の足を踏んで・・・
「二足ロボット」だけに「二の足を踏んで」、ウマイ!(笑)
>家庭用を市販したこと自体が意味のあるものなのでしょう。
同感です。
情報、ありがとうございます!
>まずは金持ちに買ってもらって、その評価を次の商品にフィードバックして
>さらに高性能化・低価格化を目指すみたいです。
なるほど。
基本的には、初期の自動車や、市場導入期の各種家電と同じマーケティング方法なのでしょうね。
>今回の物が大成功を収めれば次は5000〜1万台ぐらいを出荷して価格も20万円台に……
20万円!
これはもう、家電プライスですよ。
>さらに売れれば10万円台ぐらいにまで下がると私は考えています。
ほお!
「10万」となると、これはもう子供が“お年玉”でゲットする商品エリアですよね!
>どのメーカーも二足ロボットの販売には二の足を踏んで・・・
「二足ロボット」だけに「二の足を踏んで」、ウマイ!(笑)
>家庭用を市販したこと自体が意味のあるものなのでしょう。
同感です。
Posted by
オヤジライター
at 2005年09月27日 07:38




