2005年07月26日

“もういない人”の労働条件は!?

前々から気になっていた記事があったので、それについて書こうと思う。
内容は、ざっと次のようなことだ──

『【ロサンゼルス4月14日/ロイター】米テレビゲーム業界と、米映画俳優組合(SAG)および米ラジオテレビ芸術家連盟(AFRTA)が、新たな労使契約に向けて交渉中。

ゲーム業界は年間100億ドルを稼ぎ出しており、映画の年間興行収入とほぼ同水準に膨らんでいる。その中で、映画産業はゲーム業界で重要な役割を担っており、ゲーム開発に俳優が何らかの形で関与するケースや、ゲームと映画のタイアップは増加傾向にある。

ちなみに、SAGやAFRTAの組合員を起用したゲーム会社は、これまでに70社を上回った。また、著名スターが声優として出演したり、本人に似せたゲームキャラクターが制作されるなど、契約の重要性はこれまでになく高まっている。

労使交渉の内容については一切明かされていないが、(現在の労使契約の有効期限である)15日を絶対視する向きは少なく、交渉継続が予想されている。』
 
──以上だ。
上記の「米映画俳優組合(SAG)」と「米ラジオテレビ芸術家連盟(AFRTA)」は、アメリカの役者たちの労働組合で、(トップクラスから無名の役者まで)10数万人が加盟している。主にこの2団体が、役者の労働環境(たとえば賃金など)の改善・保護などを推進しているらしい。

上の記事をそのまま読めば、SAGならびにAFRTAが米テレビゲーム業界と新たな交渉をしていて、役者をテレビゲームに使った際の契約面などの整備をしている(のではないか)という内容だ。しかし、記事の最後に『労使交渉の内容については一切明かされていない』となっている。
じつは、そこに僕は興味がある。

僕はテレビゲーム業界などに詳しくないので、もしかすると、これから書くことはまったくの的はずれ(とか、時代遅れ)ということもある。その際は、ご勘弁を!
上の記事の中で、「スター本人に似せたゲームキャラクター」という言葉が出てくるが、これは「CG(コンピュータ・グラフィックス)」ということだろう。このこと自体は別に珍しいことでも何でもなく、たとえば野球やサッカー・ゲームで、実在の選手がキャラクターとしてCGで登場しているのと同様のものだ。

さて、ここからが核心の部分。
僕はかつて、プレステの“戦国サバイバルアクション・ゲーム”で『鬼武者』『鬼武者2』というシリーズにハマっていたことがある。
『鬼武者』の主人公“佐馬助”のキャラデ(キャラクターデザイン)は、実在の役者・金城武さんが元になっていた。
そして今から4年ほど前、『鬼武者2』の発売で僕はぶったまげた。『2』の主人公“柳生十兵衛”のキャラデは、なんと松田優作さんが元になっていた。優作さんはすでに10年以上も前に故人になっている。僕は「なるほど、こういう復活もアリなのか」と感心しながら、そのゲームを優作さんになったつもりで戦ったのを覚えている。

松田優作さんのCG復活以来、僕がずっと思っていたことがある。
「CGのレベルがさらに上がったら、いずれ生身の人間と変わらないCGキャラが登場するんだろうな」と。

ということになれば、故人でも容易に(しかも超リアルに)復活させることができ、ゲームどころか映画そのものさえも作れるようになるはずだ。

となると、どんなことが考えられる?
キャラクターの宝庫・ハリウッドあたりはボンヤリしているわけはない。たとえば、マリリン・モンローは大いに魅力がある。CG復活で大いに儲かるかもしれない。ハンフリー・ボガートもいいかもしれない。若くして死んだジェームズ・ディーンの活躍をもっと見たいというファンもいるだろう。
それだけじゃない。20歳のシュワちゃんCGで「ターミネーター・プロローグ」が作れる! アンジェリーナ・ジョリーをさらにグラマラスCGにして、ブルース・リーCGと戦わせよう!……などなど、何でもアリだ。

そうなると、それらCGキャラの使用料などは、どのように規定すべきか? 使用に際して、肖像の加工範囲はどの程度まで許可するか? 内面的な肖像(性格など)は、どのように保護するか? たとえば、マレーネ・デートリッヒのCGポルノ映画を企画する者だって、出てくるかもしれない。その時、どのように故人の肖像権を守るか、明確化しなければならない……などなど、CGキャラは新たな財源になるかもしれないけれど、そのために予想される混乱に対して、契約等のシステムも含めて対策を講じ、整備しておかなければならない……

……と、そんなことを構想しながら、その前段階として米映画俳優組合(SAG)と米ラジオテレビ芸術家連盟(AFRTA)が、米テレビゲーム業界といろいろ交渉していたとしたら、ちょっとコワいなと僕は思っているところだ。

「今が未来」という、とんでもない時代に僕たちは生きているのだ。何が起こってもおかしくないはずだ。

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