2005年07月26日

沈黙は金、雄弁は銀


樋口 裕一著『頭がいい人、悪い人の話し方』が大ベストセラーになっているそうで……(まだ読んでませんが)

オヤジからも、ビジネス上の“頭のいい話し方”をひとつアドバイスしちゃおう。(←「ちゃおう」って語感が信用できねーけどな〈笑〉)

これは僕の経験から得たことなのだけれど──
たとえば商談で、あなたの提案をお得意さまが気に入って「いいですね、この案は!」などと誉めてくださったら、あなたは簡潔に「ありがとうございます」とか「恐縮です」と礼を述べるにとどめ、それ以上多くを語らないようにするほうがいい。これ、頭のいい話し方。

僕は、広告関係の仕事をしている関係上、プレゼンというのをよくやる。企画や表現案をクライアントに提案し、採択していただくわけだけれど、時には大ウケして誉められまくることもある。こういう時というのはじつに嬉しいもので、つい得意になってしまい、今ウケた提案内容にさらにコメントしてしまうことがある。

たとえば、あるジュースの店頭ポスターとして、「赤い水着の女の子が、そのジュースを飲んでいる」というビジュアル案をプレゼンしたとする。
主旨としては「水着の女の子→夏/健康/男性客の注目度」を表現ベクトルに展開した。するとクライアントからは、候補のタレントも気に入っていただけ、めずらしく即答でOKが出て、拍手さえ起こったとする。
そこで嬉しくなり、得意がってさらに説明を加えてしまった。
「しかも水着の赤は“情熱”の象徴でもありますし、それによって、若者のマインドをあらたに掘り起こせると考えています」
と言った瞬間、広告部長の表情がややこわばってしまった。
「“情熱”ねえ、ちょっと重いんじゃないの? うちの商品って、もっとライトに味わってもらいたいんだよね。この案、もう少し考えてくれる?」
結局、「赤い水着の女の子」ポスター案は難航することに……。
ひと言多かったのだ。「赤=情熱」などと言わなければよかった。赤という色に問題はなく、それを“情熱”と再定義したことで、わざわざ墓穴を掘ってしまったのだ。
というようなことは、よくあること。

プレゼンを終えた段階で、相手は相手なりに気に入ってくれていたわけだから、そのまま満足させておくほうが無難な場合がよくある。
(営業的な数値などの合意ができているのであれば)商談の決定というものは、双方の“気分”というものが意外と左右するものだ。
それだけに、相手が“決定の気分”になっている時は、「ありがとうございます。よろしくお願いします」と言うだけにとどめ、新たな情報を発せず、あとはすみやかに商談締結に向けたほうがいい場合が多い。

雄弁は大切ではあるけれど、やはり“銀”かも。しかるべき時の沈黙こそ“金”なり。

人気blogランキングに参加しています

この記事へのトラックバックURL

http://app.blog.livedoor.jp/love40/tb.cgi/50037631