2005年07月26日

ヤンバルクイナ物語


ヤンバルクイナ国の天然記念物であり、また「絶滅危惧種」として知られるヤンバルクイナ。現在1500〜2000羽くらいしかいないそのヤンバルクイナが、さらに減っている。

主な原因としては、人為的外来種(人間がハブ退治のために持ち込んだマングースや、もとは人間が飼っていたネコの野生化)などに襲われ食べられてしまったり、人間の乱開発による環境破壊が挙げられる。
さらに最近では、道路を横断中のヤンバルクイナが、車にひかれて死ぬことが問題となっている。これも環境破壊のひとつだろう。

上の写真は、偶然にも撮影することができた“ヤンバルクイナの決死の横断”だ(琉球新報・5月17日)。
場所は、沖縄・国頭村安波の県道。親鳥と見られる1羽が、ミミズのようなものをくわえて、駆け足で5メートル余りを横断する瞬間だ。
無事に道路を渡り終えた親クイナは、草むらに隠れ、ヒナを呼ぶ独特の声を発したとのこと。また、その周囲では数羽の鳴き声も確認できたらしい。

僕は、たまにこの写真をじーーーっと見つめては、この親クイナのことを考えていた。
そんなある日、つい最近のことだけれども、居間で寝そべりPC画面の中の親クイナをじーーーっと見つめている僕を、娘がじーーーっと目撃するという出来事があった。

娘「何、見てるの?」
僕「ヤンバルクイナ」
娘「沖縄の?」
僕「そう。絶滅危惧種なんだ」
娘「で、真剣に見ているわけ?」
僕「そう。ヤンバルクイナ、決死の横断」
娘「何、それ?」

僕は娘にヤンバルクイナ物語を語った。
「……で、体長わずか30センチほどのヤンバルクイナにとって、この5メートル余りの道と言ったら、それはそれは気の遠くなるほどの、いわば“死のロード”だ。と言っても、“阪神の夏の遠征”じゃないけどな。(←娘、オヤジギャグがわからず。大滑り) ま…、だから、それほどの危険な所で、車の猛威も恐れず、家族のためにミミズを運ぶ親ってエライだろ? ほら、この写真の、この左の茂みにピーピー鳴いている子どもたちがいるわけだ。そいつらのためには、こんなちっこい鳥なのに、5メートルも何のそのだ。でも、車にひかれて、死んじゃうヤツもいるんだろうなあって。親って、エライんだかバカなんだか……」

娘は「ふーん」と言って、居間を出ていった。

それから数分後、娘はコーヒーとクッキーを持ってきてくれた。

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