2005年07月26日
一ノ矢充(いちのや みつる)という人
★★★★★オヤジ通信(vol.2)★★★★★
オヤジたちのさまざまなニュースを紹介する、不定期コラムを開始しました。きょうで2回目。オヤジでない人も、ぜひご覧ください↓
朝日新聞(6月30日付)の『ひと』というコラムに「一ノ矢充(いちのや みつる)」という人がクローズアップされていた。
この人物に心当たりがあるだろうか?
おそらくほとんどの人の答えが「NO」だろう。
新聞の見出しはこう掲げられている──「昭和以降の力士で最高齢タイに並んだ東序二段二十五枚目」
来る7月10日からの名古屋場所を、44歳で迎える“オヤジ力士”一ノ矢だ。
僕は数年前にこの力士のドキュメンタリーをテレビで見て、以来とても気になるオヤジとして記憶していた。
そして、ついに最高齢タイになったのかと、今はただ感慨ひとしおだ。
一ノ矢という力士を知るには、彼の年齢とともに、彼の番付にも目を向けるべきだろう。
「序二段二十五枚目」……この位が、力士ランキングでどの辺に位置しているか、頂点の「横綱」からズラーッと並べてみよう(名古屋場所・参照)。
【幕内】
横綱
大関
関脇
小結
前頭筆頭
前頭二枚目
前頭三枚目
前頭四枚目
前頭五枚目
前頭六枚目
前頭七枚目
前頭八枚目
前頭九枚目
前頭十枚目
前頭十一枚目
前頭十二枚目
前頭十三枚目
前頭十四枚目
前頭十五枚目
前頭十六枚目
前頭十七枚目 ※テレビや新聞で、つねに話題になるのは
この辺りから上だろう。
───────────────────────────
【十両】 ※東西それぞれ14人の十両が序列をなす。
十両筆頭
十両二枚目
十両三枚目
…
…
…
十両十二枚目
十両十三枚目
十両十四枚目 ※ここから上が「関取」と呼ばれる人々で
給料が出て、付き人もつく。
───────────────────────────
【幕下】 ※東西それぞれ20人の幕下が序列をなす。
幕下一枚目
…
…
…
…
…
幕下二十枚目
───────────────────────────
【三段目】 ※東西それぞれに、100人もの三段目!
三段目一枚目
…
…
…
…
…
…
…
…
三段目百枚目
───────────────────────────
【序二段】 ※東西それぞれに、130人もの序二段!
序二段一枚目
…
…
序二段二十五枚目 ※そして、ここに「一ノ矢 充」が!
…
…
…
…
…
…
序二段百三十三枚目
───────────────────────────
【序の口】 ※さらに序列は続く……
序の口一枚目
…
…
…
…
以上のような、気が遠くなるほどの長大な序列をなして、力の世界がいとなまれている。それが相撲だ。
相撲の世界というのは番付がすべてだ。ぶっちゃけ、番付が上の力士のほうが偉い。年齢や入門時期などまったく関係ない。番付が下なら、弟力士の付き人だってやらなければならない。
さて、一の矢はいま、横綱から下に数えてざっと180番目くらいに位置していることになる。
彼は44歳というベテラン力士にもかかわらず、相撲界のしきたりどおり、序二段クラスの“半人前”力士と同程度の扱いしかされない。
しかし、一の矢本人はいっこうにめげる様子はない。彼はひたすら相撲を取りつづける。なぜか?
それは、相撲が好きだから。
生まれ育った鹿児島県徳之島では、相撲が数少ない娯楽のひとつだった。彼は相撲にのめり込んだ。大学選びも、国立大で相撲部のある東大か京大を志したのだけれど、浪人した際の実家への負担を考え、琉球大学(理学部物理学科)に現役合格。そして、彼はたったひとりで相撲部の創設に奔走。
卒業後は、当てもないまま押し掛け入門という形で、力士となった。さらに言えば、入門当時、すでに部屋で最年長、しかも身長が足りず8ヶ月間の居候生活ののち、新弟子検査はお情け合格というエピソードを刻んでいる。
それほどに相撲が好きなのだ。
しかし、「好きだ」というだけで、相撲を取り続けることができる世界ではない。
ガチガチの番付主義、実力オンリーの世界にあって、トシをとり成績が低迷する力士を黙って見過ごすほど部屋はのんきではない──普通は。引退を勧告されるものなのだ──普通は。
ところが、ここに、救いの神がいた。
一ノ矢の師匠である、高砂親方(元大関・朝潮)である。
僕の見たドキュメンタリーの中で、高砂親方はインタビューに応えて、こんなことを語っていた。
「(あのトシで問題がないわけではないが)一ノ矢には、好きなだけ相撲をやらせてあげたいんだよ」
高砂親方という人は、豪放にしてユーモラスな力士として現役(大関・朝潮)時代からたいへん人気があったけれど、そのまま今も大らかで温かみのある人柄で、一ノ矢を見守っているように思えた。
「好きなだけ相撲をやらせてあげたい」……この言葉を引き出した一ノ矢の“相撲馬鹿”もあっぱれだけれど、この言葉を公にする高砂親方の“相撲馬鹿”もあっぱれだと思った。
高砂部屋といえば、今をときめく朝青龍がいる。
横綱・朝青龍、24歳。
序二段二十五枚目・一ノ矢、45歳。
奇しくも同部屋。
どちらも相撲の真っ只中にいる……。
朝日新聞の『ひと』欄は、一ノ矢に関して次のようにくくっている──
『30歳の時の東三段目六枚目が最高位だが、それも14年前。「ベンチプレスをしても昔の半分しか上がらない」。焦りが見えないのは、相撲の奥深さに気付いたからだ。「強さ」は筋力でなく古武道などに通じる合理的な動きの中にこそあると確信する。「非科学的と言われるけれど、その科学性を証明するのが俺の仕事。強くなる可能性があるうちは辞めません」
一ノ矢は相撲が好きだから、今もなお相撲を取り続けている。
でもそれ以上に、今の自分より強くなれると信じているから、相撲を取っている。
“オヤジ力士”一ノ矢、がんばれ!
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Posted by love40 at 20:35
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この記事へのコメント
はじめまして。
一の矢さんの記事を見てみようと調べていたら、このブログを見つけ入ってみました。
実は一の矢さんのドキュメンタリーを演出したには私なんですよ。確か10年以上前ですね「人間劇場」での作品です。
見ていただいてありがとうございました。
また一の矢さんで出来たらと思っていたところでした。
一の矢さんの記事を見てみようと調べていたら、このブログを見つけ入ってみました。
実は一の矢さんのドキュメンタリーを演出したには私なんですよ。確か10年以上前ですね「人間劇場」での作品です。
見ていただいてありがとうございました。
また一の矢さんで出来たらと思っていたところでした。
Posted by かいのうあきら
at 2007年06月26日 15:31
はじめまして。一の矢さんの頑張りにいつも感銘を受けている者です。一の矢さんに励ましのメール等を送りたいのですが?
Posted by 牧瀬守
at 2007年09月28日 21:05
●●●牧瀬守さんへ●●●
こんにちは!
一ノ矢さん個人のアドレスは知らないのですが、
所属部屋「高砂部屋」の応援掲示板などに訪問してはいかがでしょう?
高砂部屋のホームページは、一ノ矢さんが担当していますので、
そこに書き込めば、一ノ矢さんが必ず見ると思います。
一ノ矢さんには一日も長くがんばってほしいですね。
こんにちは!
一ノ矢さん個人のアドレスは知らないのですが、
所属部屋「高砂部屋」の応援掲示板などに訪問してはいかがでしょう?
高砂部屋のホームページは、一ノ矢さんが担当していますので、
そこに書き込めば、一ノ矢さんが必ず見ると思います。
一ノ矢さんには一日も長くがんばってほしいですね。
Posted by オヤジライター加久時丸
at 2007年09月30日 17:15




