2005年07月27日
ロンドン同時テロと『ぼくの国、パパの国』
ロンドン同時多発テロの容疑者として、パキスタン系英国人数人の名前が上がっている。
朝日新聞(7月14日付)では『「自爆」「英国籍」ショック』の見出しで、テロ容疑者特定後の周辺記事を報じている。中でも、パキスタン系英国人たちの動揺は激しく、その辺について記事はこう語っている──
『容疑者らの地元リーズ市北部のバーリー地区では13日朝、自爆テロへの驚きが住民たちの間に広がった。
警察の捜索のあおりを受けて自宅から避難させられた運転手のモハマド・リアズさん(46)はパキスタン側カシミール地方の出身だ。「この街に住んで20年になるが、自分たちのコミュニティーから自爆犯が出るとは信じられない」
バーリー地区はれんが造りの英国式の建物が並び、イスラム教のモスクが街角にある。4千〜5千人の住民のほぼ半分がパキスタン系。穏やかで、治安のいい地域という。
リーズ市内で生まれ育ったパキスタン系の自動車整備工サージ・アフマドさん(25)は「誰かにだまされたとしか考えられない。私たちはこれまで英国生まれの英国人と思っていたのに、これからはテロリストと見られると思うと」と戸惑いの表情を浮かべた』(朝日新聞より抜粋)
記事中の人物モハマド・リアズさんはパキスタンからの移住者なのだろう。またサージ・アフマドさんは、おそらく親の代にパキスタンから移住してきて、彼自身は英国生まれの英国人ということになるのだろう。このふたりは、それぞれ若干のニュアンスの違いをもって、戸惑いを深めているように僕には思えた。
大まかではあるけれども、移住者のモハマド・リアズさんは、「自分たちのコミュニティーから自爆犯」を出してしまったという、失望をともなった戸惑い。一方サージ・アフマドさんは、「英国人である自分」のアイデンティティの危機という、恐怖をともなった戸惑い……
記事を読みながら、僕がこのようなことに目が行くきっかけとなった映画がある。
『ぼくの国、パパの国』(英国1999年)という作品だ。マンチェスターを舞台に、英国人の妻を持つパキスタン人と、7人の子どもたちの物語だ。イスラム文化を重んじる父親と、英国文化の中で育った子どもたちの、反目の日々をヒューマン・コメディタッチで描いている。英国アカデミー賞のアレキサンダー・コルダ賞なども受賞している秀作だ。
英国に住むパキスタン人たち、そして英国人として暮らすパキスタン系の人たちの、暮らしの一端をかいま見ることができる作品ではないか、と思う。
今回のテロ事件がなければ、無邪気にクスクス笑いながら楽しめる映画だったのに……
原題は『EAST IS EAST』 今となっては、このタイトルにも深い意味を付け加えてしまったように思える。
人気blogランキングに参加しています
Posted by love40 at 13:59
│Comments(0)
│TrackBack(0)
この記事へのトラックバックURL
http://app.blog.livedoor.jp/love40/tb.cgi/50041434




