2005年08月04日

藤山直美“朝ドラ(NHK朝の連ドラ)・史上最年長ヒロイン”の誕生


★★★★★オヤジ通信(vol.5)★★★★★
オヤジたちのさまざまなニュースを紹介する、不定期コラムです。きょうで5回目。オヤジでない人も、ぜひご覧ください↓

きょうはオヤジではなく、オバン(失礼!)の話題から始める。

女優・藤山直美さんが、NHK朝の連続テレビ小説で“史上最年長のヒロイン”をつとめることになった。藤山直美さんは現在46歳。来年10月からの放送だから、その時には47歳になっている。

NHKの朝ドラというと、ヒロインはだいたい10代の若いコというイメージがある。それもそのはずで、今から40年前の『おはなはん』以来、ずっとオーディションによって主役を選考してきた結果、「オーディション=新人登竜門=若手女優が主役」というパターンが定着した。

しかし、今回はオーディションはおこなわず、作品に合わせて主演女優をキャスティングした。
西村与志木・ドラマ番組部長の話では「朝ドラの大原則はオーディションだが、オーディションは若手のものという印象が強く、16〜7歳の女の子の話しかできなくなり、ネタが狭まる」とのこと。

藤山直美さんが演ずる物語は、作家・田辺聖子さんの半生をもとにしたもので、大阪の戦後復興期の中、36歳で嫁いだ先が11人の大家族だったという、てんやわんやの人情コメディーなのだそうだ。タイトルは『芋たこなんきん』。藤山さんは37歳から77歳までを演ずる。

さて、NHK朝ドラ40年以上の歴史の中で起こった、このたびの“異変”を眺めながら、僕はこんなことを思った。
NHKドラマ番組部長によると、「16〜7歳の女の子の話」では「ネタが狭まる」とのことではあるけれど、これはどうも本質をとらえた説明とは言いがたい。なぜなら、テレビというのは「ネタが狭まろうがどうしようが、それに視聴者が興味をもっている限りは、そのネタを続ける」のが普通であって、本当のところは「そのネタ自体に、視聴者が興味を失いかけている」のではないだろうか。つまり「16〜7歳の女の子の話」に、視聴者は飽きたのではないだろうか。

ここで言う“視聴者”とは、“視聴率”に深く関わってくる。
下のグラフを見ていただきたい。これは、今から35年前、1970年における日本の“人口ピラミッド”だ。

日本の世代別人口・比較

【1970年】
70歳代■■■(340万人)
60歳代■■■■■■■(671万人)
50歳代■■■■■■■■■(923万人)
40歳代■■■■■■■■■■■■■(1322万人)
30歳代■■■■■■■■■■■■■■■■■(1658万人)
20歳代■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(1975万人)
10歳代■■■■■■■■■■■■■■■■■(1692万人)
それ以下■■■■■■■■■■■■■■■■■(1697万人)

20歳代の人口が突出していることがわかる。いわゆる“団塊の世代”と呼ばれる一群で、この年令層が戦後、圧倒的な影響力をもって日本を動かしてきた。これは日本だけに限ったことではなく、欧米においても“ベビーブーマー”と呼ばれる層が、圧倒的なパワーをもって世論形成や市場形成をおこなってきた。

つまり、これを「ヤングの時代」と呼ぶ。

第2次世界大戦後、世界のニューリーダーとなったアメリカは、「ヨーロッパ=旧大陸=伝統=おとな」を打ち壊しながら、みずからの「アメリカ=新大陸=フロンティアスピリット(開拓魂)=ヤング」主義を推進してきた。
そのような世界トレンドの中で、この日本でも“団塊の世代”が「ヤングの時代」を主導し、さらにその後も「ヤング的な時代」を後押ししてきた。そして、さまざまなブームが「ヤング中心」に展開するようになった。

そして、今、2005年。日本の人口ピラミッドは下のようになった。

【2005年】
70歳代■■■■■■■■■■■■(1169万人)
60歳代■■■■■■■■■■■■■■■■(1595万人)
50歳代■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(1898万人)
40歳代■■■■■■■■■■■■■■■■(1574万人)
30歳代■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(1854万人)
20歳代■■■■■■■■■■■■■■■■(1624万人)
10歳代■■■■■■■■■■■■■(1272万人)
それ以下■■■■■■■■■■■■(1161万人)

“団塊の世代”は50代になった。依然として圧倒的な人口層を誇っている彼らの口から、最近こんな言葉を聞くようになった。
「オレたち大人が、聴きたくなるような音楽は少ないし、見たくなるようなテレビ番組もない。ちょっと雰囲気のいい店を見つけても、若いヤツらが多くて落ち着けない」などなど……
ヤング中心のカルチャーを主導した彼ら“団塊の世代”が、皮肉と言えば皮肉なことに、そのヤング中心の状況に不服を唱え始めた。

そう、彼らは自分たちに合うものを、いま探し始めている。そんな彼らの動向と、このたびのNHK朝ドラの“史上最年長ヒロイン”の登場はまったく無関係ではないと僕は思っている。
彼ら“団塊の世代”は、視聴率的に無視できる層ではなく、そんなマジョリティな彼らが求めているものは、少なくとも「16〜7歳の女の子の話」ではなく、大人である自分たちにフィットしたものなのではないだろうか。

上のグラフを見てわかるように、“団塊の世代”とは対照的に、「20歳代/10歳代/それ以下」の“ヤング”の減少ぶりがいちじるしい。つまり、“少子化”であり、日本におけるヤング・マーケットの先細りを意味している。マーケットを人口という側面のみで見ることはできないけれど、たいへん重要な要素であることは否めない。
テレビのゴールデン枠なども、これまでヤング中心で展開してきたわけだけれども、今後ははたしてどうなるだろうか?

最後に、もう一度、1970年と2005年の人口グラフを比較したい。

日本の世代別人口

【1970年】
70歳代■■■(340万人)
60歳代■■■■■■■(671万人)
50歳代■■■■■■■■■(923万人)
40歳代■■■■■■■■■■■■■(1322万人)
30歳代■■■■■■■■■■■■■■■■■(1658万人)
20歳代■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(1975万人)
10歳代■■■■■■■■■■■■■■■■■(1692万人)
それ以下■■■■■■■■■■■■■■■■■(1697万人)

【2005年】
70歳代■■■■■■■■■■■■(1169万人)
60歳代■■■■■■■■■■■■■■■■(1595万人)
50歳代■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(1898万人)
40歳代■■■■■■■■■■■■■■■■(1574万人)
30歳代■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(1854万人)
20歳代■■■■■■■■■■■■■■■■(1624万人)
10歳代■■■■■■■■■■■■■(1272万人)
それ以下■■■■■■■■■■■■(1161万人)

この35年の間に、日本はその姿をすっかり変えた。
「ヤング中心」で動いていた日本がこれからどう展開するか、とても興味がある。

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この記事へのコメント
そうですか。

私は、団塊の世代、関西人、若い頃は、地元神戸が舞台の田辺聖子の恋愛小説を愛読、いまは、時々藤山直美ちゃんの舞台を楽しんでいます。

ぴったりですね!!

長いこと、NHKの朝ドラから遠ざかっています。(どころか、ここ数年韓国ドラマ以外はご無沙汰してます)

久しぶりに見てみます。
Posted by megumi at 2005年08月04日 15:16
大人の空間が増えることには大賛成です。
これからもどんどん増えて欲しいですね。
ああいう大人になりたい、という方が50代はまだまだ少ないですもの。
なので、せめて空間だけでも(笑)

30代が50代とそう変わらないことに安心を覚えます、色々な意味で^^

朝ドラ、面白そうですね。
Posted by mihoris at 2005年08月04日 21:52
●●●megumiさんへ●●●
>ぴったりですね!!
まさに! 
団塊の世代、関西人、若い頃は、地元神戸が舞台の田辺聖子の恋愛小説を愛読とは・・・
これは見逃せませんね!
>ここ数年韓国ドラマ以外はご無沙汰してます
そうですか、王道を歩んでいるわけですね(笑)
NHK朝ドラは、はたしてmegumiさんの心をつかめるのでしょうか・・・楽しみです!
Posted by オヤジライター at 2005年08月05日 06:57
●●●mihorisさんへ●●●
>大人の空間が増えることには大賛成です。これからもどんどん増えて欲しいですね。
きっと増えると思います。
その辺をウォッチングしていきたいですね。
>30代が50代とそう変わらないことに安心を覚えます、色々な意味で^^
30代がどう動くか・・・これにも、とても興味があります。
>朝ドラ、面白そうですね。
朝から笑わせてほしい!
Posted by オヤジライター at 2005年08月05日 07:10
このコラムは、非常に興味ありますね。
正直、NHKも朝ドラも全く興味ないのですが(笑)、
それより何より、この日本の人口グラフを取り上げて1970年と2005年で比較してみる。
この発想がさすがオヤジライターさん!ですよね。

> 視聴者が興味をもっている限りは、そのネタを続ける」
> のが普通であって、本当のところは「そのネタ自体に、
> 視聴者が興味を失いかけている」のではないだろうか

まさにその通りだと私も思うのですよ。
以前勤めていた会社のことをちょっと思い出してしまって、
テレビで言う視聴者=メーカーにとって常連の顧客
そして、このような人口ピラミッドなどを利用したマーケティングも必要不可欠なのではと感じました。
退社した今となっては、もう関係ないのですけどね(笑)。
長くなって申し訳ございませんでした。
Posted by モリリンマロン at 2005年08月06日 01:01
●●●モリリンマロンさんへ●●●
>まさにその通りだと私も思うのですよ。
モリリンマロンさんが着目してくださったその部分、その部分こそがテレビの本質なんですよね。
共感していただけて嬉しいです。
>このような人口ピラミッドなどを利用したマーケティングも必要不可欠なのでは
>と感じました。
僕は広告業界に身を置いてきましたが、現場ってマーケを無視してますよね(苦笑)
>長くなって申し訳ございませんでした。
いえいえ、とんでもない!
いろいろご意見が聞けて楽しいです。
Posted by オヤジライター at 2005年08月06日 08:56