2005年11月04日
生体(バイオメトリクス)認証
嬉しいような、怖いような、話をひとつ。
共同通信(11月1日付)によると──
『さぬきうどんチェーンを展開する「はなまる」(東京)は1日、1000円でかけうどんを1カ月間に最大420杯食べられる指紋認証による定期券システムを渋谷公園通り店(東京・渋谷)に試験導入した』という。
1000円で、かけうどんがこんなに食べられるとは、不景気な時代、歓迎すべき嬉しい話ではないか。
さて、記事はさらにこう続く──
『利用客は名前と生年月日、性別を申込書に記入し、店頭の端末に右手の人さし指の指紋を登録する。支払いの際には端末で指紋を照合し105円を会計金額から差し引く』
ここまで読んだとき、僕は「ふ〜む」と考え込んでしまった。
名前・生年月日などは適当に偽っておけばいいかもしれないけれど、指紋を登録するとなると、これは軽い気持ちで「OK!」という気持ちには到底なれない。
言うまでもなく「指紋」は、個人識別の際の有力な方法として警察等で使われている。
現在、通常的には犯罪歴のある人などは指紋押捺させられデータ管理されている。つまり、“その人”は国家的に管理されているわけで、たとえば、ある場所のある指紋を照合してその指紋が“その人”であれば、「おまえ、あそこにいただろう。何してたんだ?」と指摘・追及を受けることになる。つまり、“その人”は、結果的に自分の「指紋」によって監視されている、と言えなくもない。
これまで個人識別/認証システムとして、「IDカード」「暗証番号(パスワード)」などが日常化していたけれど、偽造や盗用などの横行にともなって、生体(バイオメトリクス)認証が注目されるようになった。
生体認証としては、「指紋」「静脈(指/手の平)」「目(虹彩/網膜)」などが主なものとしてすでに実用化されつつあるけれど、これらの生体認証システムを導入すべき箇所というのは、高度な機密保持を要する場合に(今のところ)とどめるべきだと僕は思っている。
同じ認証システムでも、「IDカード」や「暗証番号(パスワード)」なら変更することは可能だけれども、「生体認証(指紋、静脈、目)」は変えることはできない。ある意味、指紋などの生体認証は“究極の個人情報”なわけで、そういうものを安易に提供・登録などすると大変なことになる可能性がある。
なにしろ、相当厳重なセキュリティ・システム下にあるはずの銀行などでも、個人情報漏洩などの事件が少なからず起こっているのだから、漏洩リスクは覚悟のうえで自分の情報を取り扱ったほうがいいかもしれない。
映画『マイノリティ・リポート』のように、虹彩認証によるセキュリティ・システムに不当侵入するために、他人の目玉をくり抜いてそれを使う……なんてことが展開しているけれど、生体認証というのは、つまり、一般的にはワン・アンド・オンリーなI.D.(自己証明)なのだから慎重に対処する必要がある。
指紋も基本的には同様のものである。
ところで、この、うどんチェーン「はなまる」の指紋認証システムによる自動割引サービスに関し、日経BP(10月28日付)のコメントは──
『お客にとってはポイントカードなどを持ち歩く煩わしさがないというメリットがある一方、店にとっては話題性や手軽さからお客の来店頻度アップを見込めるという利点がある』とのこと。
さすが、ビジネスライク!(苦笑)
最後に、うどんの割引サービスの詳細を、記事(共同通信)からご紹介すると──
『支払いの際には端末で指紋を照合し105円を会計金額から差し引く。
同社は小サイズのかけうどん1玉を105円で提供しており、それだけなら無料で食べられることになる。トッピングする具などは自己負担となる。
会計後1時間は再利用できない仕組み。同店(渋谷公園通り店)は午前9時開店で午後11時に閉店。開店と同時に会計を済ませ1時間ごとに利用すれば、理論上は最大14回使用可能。30日間で420杯分、4万4100円分を1000円で食べられる計算だ。登録は8日でいったん終了し、利用状況などを踏まえて他店にも展開するかどうか検討する』
1000円でうどんが最大420杯まで可能とは、スゲエ魅力的な話なのだけれど、うどんのために指紋を押すのは……
ワンクリックで投票していただけると、たいへん嬉しいです!
Posted by love40 at 07:41
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この記事へのコメント
すごいですね。
ビジネスなんだかスパイ合戦やってるんだか。。。
ビジネスなんだかスパイ合戦やってるんだか。。。
Posted by
mihoris
at 2005年11月06日 18:42
●●●mihorisさんへ●●●
>ビジネスなんだかスパイ合戦やってるんだか。。。
的確なご指摘ですね。
ビジネスなのかスパイ合戦なのか・・・。
超先端企業では、両方同時に必要十分条件的に進行しているんでしょうね(苦笑)
>ビジネスなんだかスパイ合戦やってるんだか。。。
的確なご指摘ですね。
ビジネスなのかスパイ合戦なのか・・・。
超先端企業では、両方同時に必要十分条件的に進行しているんでしょうね(苦笑)
Posted by
オヤジライター加久時丸
at 2005年11月06日 20:20




