2005年11月04日
ラブ・フォーティ 第154話 〜マクドナルド〜
(最初からお読みになりたい方はこちら→【ラブ・フォーティ 第1話】 )
第153話より続く
ふたりは牛丼屋を出ると、マクドナルドへ行った。トオルはマックシェイク、新田はコーヒーをオーダーした。
ガラス・ウォールに面したカウンターに、ふたりは並んで腰かけた。テニスバッグを携え、真っ黒に陽焼けした40歳と14歳は、テニス好きの親子のようでもあるし、コーチと選手のようにも見える。しかし、少年のほうがコーチだとは誰も想像することなく、ガラスの前を人は通りすぎていく。
トオルはちょっと言いにくそうだった。
「あの、この方法は、新田さんも傷を負わなければなりませんが、いいですか?」
「“傷”?」
「ええ、あまりカッコいい戦法じゃないんです」
「でも勝てるかもしれないんだろ?」
「ええ、まあ」
「どんな方法なんだい?」
トオルはひとつ深呼吸してから答えた。
「ロブです」
「ロブって、あの高くボールを打ち上げるロブかい?」
「はい。ロブを徹底的に使います」
「そうすると、勝てるのかい?」
「“もしかすると”ですけど。さっきの新田さんのお話を聞いていると、相手の人はエリートっぽい人のようですね。テニスの腕も上級です。そういう人は、テニスをカッコよくやりたいはずなんです。とくにテニス大会のように観客がいると、なおさらその気持ちは強くなるはずです」
「なるほど」と新田は相槌を打ちながら、トオルの鮮やかな弁舌に驚いていた。まるで、“オタク”と呼ばれる子供たちが、自分の好きなことに関しては大人顔負けに話すそれに似ていた。
続き(第155話)を読む
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Posted by love40 at 08:15
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