2005年11月10日

ジョン・ロバート・シュリーファーとスピード


ジョン・ロバート・シュリーファーという人物を、ご存じだろうか?

僕はきのうまで、まったく知らなかった。
まったく知らなかったし、今度のような事件でも起こらなかったら一生知らぬままに終わった名前だろう。
彼は、ノーベル物理学賞受賞者という誉れ高い人物である。でも、やはり僕は、今度の事件がなければ彼を知り得なかっただろう。

今度の事件、それを、僕は毎日新聞(11月8日付)の小さな記事で知った──
『米カリフォルニア州サンタマリアの州地裁は7日、交通事故で8人を死傷させたフロリダ州立大教授でノーベル物理学賞受賞者のジョン・ロバート・シュリーファー被告(74)に過失致死罪で禁固2年の実刑判決を言い渡した』

ノーベル賞学者が交通事故? 
しかも、その人自身が実刑を?
いったいどんな災難が彼を襲い、彼に有罪という罰を与えたのだろう?

僕は、記事の先に目をやった──
『判決によると、同被告は今年7月、スポーツカーで160キロを超える猛スピードを出して暴走。衝突事故を起こし、1人を死亡、7人を負傷させた。事故以前に9度スピード違反で捕まっており、免許停止処分中だった。同被告は1972年、超電導に関する研究でノーベル物理学賞を受賞した』

9度のスピード違反とは!
これは完全な常習者であることは間違いないだろう。

超伝導とスピードに、何か関係があるのだろうか?
ジョン・ロバート・シュリーファーの中では、この2つの事象が驚くべき一対の世界をなしているのかもしれない……、などと考えながら、僕はシュリーファーの年齢をあらためて確かめた。

74歳……。

なんと無軌道な“超伝導”ジイさんだことと眉をひそめつつ、僕は頭の中で簡単な引き算をした。

2005−74=1931

なるほど、このジイさん、(年鑑でさらに正確に調べてみると確かに)1931年生まれだ。

ドキッ!!
僕は、一瞬にしてひらめいてしまった。
1931年と言えば、あのジェームズ・ディーンの生誕年ではないか。
無類のスピード狂。ポルシェ550スパイダーを運転中に交通事故で亡くなったスーパースター。

あのジェームズ・ディーンと、ジョン・ロバート・シュリーファーは同じ年に生まれ、きっと、シュリーファーは自分がジェームズ・ディーンと同時代人であることを知っていたに違いない。いや、ひょっとすると、知っていたどころか、きわめて強く“意識”していたのではないだろうか。

「オレとジミーは“the same age”だぜ!」と。

ジェームズ・ディーンと同年齢、同世代、同時代、そして、同じハートをもっているんだ、とシュリーファーは今もなお胸に抱きつづけ、74歳にしてスポーツカーをぶっ飛ばしていたのだろうか?


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この記事へのコメント
はじめまして
ランキングで 度々 目にしてましたが
コメントは 初めてです
さすがは プロですね
俺なんか 単なる言葉 いや 文字の羅列に
すぎないようなものなので 恥ずかしく
なってしまいます
また 覗きに来ます
とりあえず 足跡だけ・・・
Posted by ふぁず at 2005年11月10日 11:18
ジェームス・ディーン理由なき反抗のシーンを思い出しました。
車を運転し、崖っぷちに猛スピードで走り、落ちる直前に飛び降りる(危険、ハラハラ)
そんな馬鹿げた時代の精神を何時までも持ち続けて生きる。
永遠の青年と賞賛すべきでしょう。
Posted by のびぃ太 at 2005年11月10日 21:52
●●●ふぁずさんへ●●●
はじめまして!
>俺なんか 単なる言葉 いや 文字の羅列にすぎないようなものなので 恥ずかしく・・・
いえいえ、とんでもない!
あるテーマに沿って、ビジュアルが序奏を彩り、詩がまるで主旋律を奏でるように配され、コメントがその一曲をとりまとめるようにつづられている・・・。
日々へのまなざしが研ぎ澄ませていないとできないことです。
パワフルに(←日本語に訳すると、このばあい「愛情豊かに」かな?)お互いのブログを楽しみましょう!
また遊びに来てください!
Posted by オヤジライター加久時丸 at 2005年11月11日 01:41
●●●のびぃ太さんへ●●●
>ジェームス・ディーン理由なき反抗のシーンを思い出しました。
僕もです!
>永遠の青年と賞賛すべきでしょう。
もし、このノーベル賞学者が本当に「ジェームス・ディーンのように生きたい!」と思い続け、学究に励みつつもも暴走していたのだとしたら、事の功罪はいずれも重く、軽々しく語れませんが、直感的には、なんか「スゲエ!」って感じですよね。
Posted by オヤジライター加久時丸 at 2005年11月11日 01:51
74歳かぁ。
NYの株式市場が崩壊して数年後、一番厳しい時代に生まれた彼らは、戦中、戦後を駆け抜けた、勢いのある時代ですね。
スピード違反で捕まるのは、ある意味、お見事!ですネ(笑)
Posted by mihoris at 2005年11月13日 12:16
●●●mihorisさんへ●●●
>NYの株式市場が崩壊して数年後、一番厳しい時代に生まれた彼らは、戦中、戦後を駆け抜けた、
>勢いのある時代ですね。
あ、そうか!
そういう時代背景だったんですね。
>スピード違反で捕まるのは、ある意味、お見事!ですネ(笑)
シュリーファーの場合、頭(頭脳)の中も、心(精神)の中も、ぶっ飛んでいる感じですよね。
Posted by オヤジライター加久時丸 at 2005年11月14日 09:36
僕は大学で超伝導の研究をしている者ですが、今日たまたまシュリーファーさんと親交のあった某先生とお話する機会があり、その先生の話によると、現在シュリーファーさんは躁鬱病を患われており、今回の事故もそれが原因なのだそうです。だからジェームス・ディーンは関係ないようですよ(^^;)
Posted by まさと at 2005年11月28日 23:34
●●●まさとさんへ●●●
>その先生の話によると、現在シュリーファーさんは躁鬱病を患われており、今回の事故も
>それが原因なのだそうです。
あ、そうなんですか!
これまでに9回の犯歴があるということですから、長きにわたって相当に深刻な躁鬱に苦しめられているのでしょうね。
>だからジェームス・ディーンは関係ないようですよ(^^;)
わああ、残念(←ひでえ失言、失礼!)
青春という名の超伝導に生きる男「シュリーファー伝説」は無しか・・・

戯れ言はさておき、シュリーファー氏の病状の寛快を願うばかりです。
貴重な情報を、ありがとうございました。
Posted by オヤジライター加久時丸 at 2005年11月28日 23:58