2005年12月03日
『KUYO STAGE(供養ステージ)』
あるアメリカ人の市場調査マンとイギリス人の市場調査マンが、アフリカの奥地へ行って、靴に関する調査をした。
それぞれ土地の各所を見てまわり、それぞれ本国の靴メーカーに報告書を提出した。
現況報告に関しては、両者ともにほぼ同様の感想を述べている。
「この地では、残念ながら、靴を履く者はひとりもおりません」
現況報告に続いて、市場としての将来展望を2人はそれぞれ述べているが、これがまったく正反対の結論を導き出している。
イギリス人調査マンはこう結論した。
「靴を履く者など1人もいない土地ゆえ、今後も靴の需要はゼロであろう。絶望的だ!」
それに対して、アメリカ人調査マンはこう報告している。
「この土地は、靴をもっていない者ばかりだ。したがって、いずれ1人1足……いや、1人2足や3足はすぐ買うようになる。ありがたいことだ!」
同じ状況下にありながら、ひとりは「需要ゼロ」と悲嘆し、もうひとりは「需要100%どころか200%以上だ!」と驚喜し、勇んで商売に乗り出した……。
この話から、どんな教訓を引き出すか、どんな印象を導き出すかは、人それぞれにおまかせするほうがいいだろう。
おそらく、この話は完全な実話ではなく、マーケティングを論考するさいに都合のよいポケットジョークのようなもので、実際には事実のようなものはないのだと思う。
ところが、この話に似た出来事がいま起こりつつあって、僕は興味シンシンだ。
asahi.com(11月30日付)によると──
『仏壇メーカーの八木研(大阪市)が、「KUYO is LOVE(供養は愛)」をうたって、米国での仏壇販売に乗り出す。まず、12月8日に現代美術の発信地として知られるニューヨークのチェルシー地区にギャラリーをオープン。仏壇とは呼ばず、「KUYO STAGE(供養ステージ)」という新語での定着を狙う』
寿司やカップヌードルが海外で受け入れられるかどうかより、はるかに興味深い話だ。
うまい・まずい、好き・嫌いで簡単に区分けできるものではなく、心の奥底にある何かがジャッジするものだけに、この「仏壇進出」はさまざまな反応を引き起こすに違いない。
記事はさらにこのように続く──
『米国のキリスト教徒の家庭では、故人の写真を飾るだけで、日本の仏壇に当たるものはない。ただ、同社の仏壇は伝統にとらわれない欧風の家具のような作風だ。 そこで、米国で写真立てのような形で受け入れられるとみている。八木龍一社長は「先祖を敬う、という気持ちは世界共通のはずだ。日本人には考えつかないようなニューヨークテイストも取り込んでいきたい」と話している』
先ほどの靴の話と一緒にできるような品物ではないけれど、八木社長は「先祖を敬う、という気持ちは世界共通のはず」と見極めたうえで、KUYO市場は充分に開拓できると判断したのだろう。
宗教上の違いを超えて「KUYO STAGE」がアメリカ人に受け入れられるかどうか、じつに興味深い。かつてないマーケティングだ、と言ってはビジネスライクすぎるだろうか。
はたして「KUYO is LOVE」となるかどうか、今後が知りたい。
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Posted by love40 at 00:48
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この記事へのコメント
ステキですね、デザイン。
在米日本人や日系人に、まずうけそうです^^
在米日本人や日系人に、まずうけそうです^^
Posted by
mihoris
at 2005年12月04日 20:39
よい考え!と思います、この商品。
じつはうちは、夫婦そろって
すでに母親を亡くしており、
でも仏壇はなにかと供養がタイヘンそうだし、
気持ちの問題!ということで、
母二人の写真を並べ、お線香だけを
あげられる場所をリビングに設けてあります。
供養できるステージ。。。
自分たちの方法で故人を大切にできるの、素敵。
日本でもウケると思いますが!
じつはうちは、夫婦そろって
すでに母親を亡くしており、
でも仏壇はなにかと供養がタイヘンそうだし、
気持ちの問題!ということで、
母二人の写真を並べ、お線香だけを
あげられる場所をリビングに設けてあります。
供養できるステージ。。。
自分たちの方法で故人を大切にできるの、素敵。
日本でもウケると思いますが!
Posted by hi-yo(ハイヨ)
at 2005年12月04日 23:04
●●●mihorisさんへ●●●
>在米日本人や日系人に、まずうけそうです^^
僕もそんな気がするんです。
ニーズあり・・・かな。
>在米日本人や日系人に、まずうけそうです^^
僕もそんな気がするんです。
ニーズあり・・・かな。
Posted by
オヤジライター加久時丸
at 2005年12月05日 00:47
●●●hi-yo(ハイヨ)さんへ●●●
>母二人の写真を並べ、お線香だけをあげられる場所をリビングに設けてあります。
ほお、まさしく「KUYO STAGE」、供養できるステージですね。
>日本でもウケると思いますが!
同感です。
こういう形の、心の表し方を望んでいる方々が、日本にもけっこうおいでになると思います。
>母二人の写真を並べ、お線香だけをあげられる場所をリビングに設けてあります。
ほお、まさしく「KUYO STAGE」、供養できるステージですね。
>日本でもウケると思いますが!
同感です。
こういう形の、心の表し方を望んでいる方々が、日本にもけっこうおいでになると思います。
Posted by
オヤジライター加久時丸
at 2005年12月05日 00:53




